華匠が考えるホームページ
「確かな価値の提供」

ブログBlog

初心者向け!地方自治体の予算仕組みをすっきり理解する方法

2025.08.26

執筆者 : K.E(Webディレクター)

1. 地方自治体予算の基本とは

地方自治体の予算の種類:一般会計と特別会計

 地方自治体の予算には、大きく分けて「一般会計」と「特別会計」の2種類があります。一般会計は、自治体が提供する日常の行政サービスや公共施設の維持管理など、基本的な業務に必要な収入と支出を管理するための予算です。一方、特定の事業や目的に限定された財源を管理するのが特別会計です。例えば、ごみ処理事業や水道事業、介護保険など、特定のサービスに関する費用は特別会計で管理されます。このように、自治体は予算の種類に応じて効率的に財政を運用しています。

予算編成の目的:地域のニーズと行政サービス

 地方自治体が予算を編成する主な目的は、地域住民のニーズを汲み取り、安心して暮らせるまちづくりを実現することにあります。例えば、道路の整備や教育の充実、福祉サービスの提供など、自治体が管轄する多くの分野に予算が割り当てられます。特に限られた財源の中で、住民の期待や地域課題に対応するため、自治体は効率性と公平性を考えた予算配分を行っています。これにより、税金を住民のために最大限有効活用する仕組みがつくられています。

予算に関わる基本用語を覚えよう

 予算について知るためには、いくつかの基本用語を理解することが重要です。例えば、「歳入」とは自治体が得る収入のことで、主に地方税や地方交付税、補助金などが含まれます。「歳出」はその反対で、公共サービスに充てられる支出を指します。また、「当初予算」は年度当初に立てられる基本的な予算で、「補正予算」は年度途中で必要に応じて変更される予算です。こうした用語を押さえることで、地方自治体の予算に関する資料や情報をより深く理解できるようになります。

年度始まりと終わりの予算サイクル

 地方自治体の予算サイクルは、年度の始まりから終わりまでを通して非常に計画的に進められます。自治体の会計年度は4月1日から翌年3月31日までとなっており、予算編成はその年の9月ごろから始まります。この段階で各部門が予算要求を行い、調整や査定が行われた上で、12月から1月にかけて予算案が策定されます。その後、2月から3月に議会での審議を経て予算が正式に承認され、4月から執行が開始されます。このサイクルをしっかり理解することで、自治体の施策や事業がどのように進められるかが見えてきます。

2. 地方自治体の予算編成プロセス

予算編成はいつから始まる?主なスケジュール

 地方自治体の予算編成は、住民への行政サービスを提供するための重要な仕組みです。通常、予算編成のスケジュールは前年の秋から翌年の春にかけて進行します。まず、9月から10月にかけて財政課が予算編成方針を決定します。その後、各自治体の部門が独自の事業検討を行い、予算案づくりに向けた準備が進められます。

 具体的には、5月から8月までに各部門で事業内容や予算配分を検討し、9月から10月にかけて予算要求資料を財政課へ提出します。そして、10月から12月には財政課の査定を経て予算案が組み立てられ、12月から1月にかけて首長によって最終的な予算案が決定します。このように、予算編成時期は自治体ごとに若干異なるものの、年度当初に間に合うよう精密な計画が求められます。

部門ごとの予算要求と調整の仕組み

 自治体の各部門は、それぞれの地域課題や住民サービスの充実に向けた事業を計画し、必要な予算の要求を行います。例えば、公共インフラの整備や福祉サービスの提供、教育や文化振興など、部門ごとに異なる優先事項が存在します。この予算要求は財政課へ提出され、財政課が全体の収支バランスを考慮して調整を行います。

 調整プロセスでは、まず各部門から出された要求を基に必要性や重要度を精査し、不足部分や過剰な部分を見直します。次に、部門間の優先順位や、自治体全体の政策目標を踏まえた分配が進められます。この段階で関係者が意見を交わしながら調整を進め、最終的な予算案に反映されます。

議会決議と市民参加の役割

 地方自治体の予算案は、単に行政内部で決定されるものではなく、議会での議決を経て初めて正式に確定します。議会では、予算案が地域社会の現状や市民のニーズに適しているかどうかを議員が審議します。このとき、住民代表である議員が自治体の予算の透明性や公平性を確認する役割を担います。

 さらに、予算編成プロセスには市民が参加する機会も設けられています。例えば、市民からの意見募集や説明会を実施する自治体もあります。市民の声を反映することで、より具体的で効果的な予算運営が可能になります。市民参加を通じて、住民が地域づくりに直接関与しやすくなることは、持続可能な自治体運営につながるのです。

予算案を作るまでの段階と提案の流れ

 予算案作成までの流れは、まず各部門が提案した事業計画を財政課が取りまとめることから始まります。そこで予算要求が検討され、重点配分が必要な施策や削減が求められる項目が明確化されます。この段階を「予算査定」と呼び、非常に重要な役割を果たします。

 査定を通じて必要な調整が行われた後、全体の総括として首長が最終的な予算案をまとめます。その後、議会に提出された予算案が審議を経て承認されることで、晴れて次年度の予算が成立します。これには多くのプロセスが絡むため、自治体の予算時期を知ることは住民にとっても非常に意義深いといえるでしょう。

3. 地方自治体の収入と支出の仕組み

地方自治体の主な歳入源:税金と交付金

 地方自治体の収入源の中核をなすのが、住民が納める地方税と、国から配分される地方交付税です。地方税には市民税、法人市民税、固定資産税などが含まれ、住民が自治体サービスを受けるための重要な財源となっています。また、地方交付税は地域間の財政格差を是正する目的で国から自治体に交付されるもので、自治体の財政基盤を支える柱のひとつです。このように、税金と交付金はすべての住民が安全で暮らしやすい地域づくりを実現するための重要な資金源となるのです。

主な歳出項目とそれぞれの重要性

 地方自治体の支出は大きく分けて、住民福祉の向上や地域公共サービスの提供に使われます。例えば、教育費は未来を担う子どもたちの育成を支援する重要な投資であり、福祉関連費は地域住民の健康や生活を支える基盤です。また、道路や公園などのインフラ整備費用は地域社会の利便性を向上させるために欠かせません。これらの支出は、住民一人ひとりの生活の質を高めるためのものであり、自治体がどのように予算を配分するかがその地域の発展に大きく関わってきます。

国との関係性:地方交付税や補助金の役割

 地方自治体の予算運営には、国との密接な関係が不可欠です。地方交付税は、地方ごとの財政状況に応じて国が配分する一般財源で、自治体が自主的に使うことができます。一方、補助金は特定の事業や目的に限定して交付されるもので、公共事業や福祉施策など国の政策目標を達成するために重要な役割を果たします。これらの財源は、自治体が独自に進めるプロジェクトと、国の施策を地域で実現するプロジェクトとのバランスを保ちつつ、効率的な行政運営を図る上で大切な存在です。

地方公共団体が財源不足を補う工夫

 地方自治体にとって財源不足は大きな課題です。しかし、多くの自治体は工夫を凝らしてこの課題に対応しています。例えば、地方債の発行を活用して一時的に不足する資金を補ったり、公民連携(PPP/PFI)によって民間企業と協力しながらコストを抑えた事業運営を目指したりしています。また、ふるさと納税制度など、住民が自発的に自治体へ支援を行う仕組みも活用されています。これらの取り組みによって、限りある予算を効果的に使い、地域住民のニーズに応えることが可能になります。

4. 本予算と補正予算の違い

本予算とは?年度当初に決定される内容

 本予算とは、地方自治体が新年度(通常4月)に向けて当初に編成し、議会で承認を受けた後に確定される予算のことを指します。これは、1年間に提供される行政サービスや住民の福祉向上のための計画的な財政運営を支える基盤となります。本予算の策定は、前年の秋から冬にかけて行われ、多くの部門が協力して詳細な計画を立てます。自治体はこの本予算を元に、一年間の行政活動を展開していきます。

補正予算が必要になる場面とは

 補正予算は、年度途中に予想外の出来事や新しい事業要件が発生した場合に追加または変更される予算のことです。例えば、大規模な災害が発生したり、急激な経済変動が起きたりした場合、既存の予算では対応が難しい場合があります。そのようなときに補正予算が必要になります。また、歳入や歳出が当初の見込みと異なった場合にも、予算の見直しが行われます。補正予算は議会の承認をもって正式に実行されますが、その作成には透明性が求められることも重要です。

経済的な影響が予算にどう反映されるか

 地方自治体の予算は、経済の動向に大きく影響を受けます。例えば、景気が良いと住民所得が上昇し、市民税や法人税といった地方税の歳入が増える傾向があります。一方で、景気が悪化すると歳入が減少し、予算の見直しが必要となることがあります。また、高齢化や人口減少といった社会的課題も歳出構造に影響を与えます。このような経済的、社会的変化に対応するため、地方自治体では柔軟な予算運営が求められています。

補正予算編成の流れと検討要素

 補正予算の編成は、まず必要性の検討から始まります。各部門が現状を分析し、予算変更の理由と具体的な必要額を財政課に提出します。その後、財政課で全体的な調整と査定が行われ、首長によって正式な補正予算案としてまとめられます。最終的な補正予算案は議会に提出され、審議・承認を得て初めて執行可能となります。この過程では、予算の妥当性や効率性、自治体全体の財源状況が慎重に検討されます。また、住民への説明責任を果たすため、透明性を確保することも不可欠です。

5. 初心者でも押さえたい予算編成のポイント

なぜ予算編成を知ることが重要なのか

 地方自治体の予算編成は、住民生活を支える行政サービスをどのように実行していくかを明確にするための重要なプロセスです。自治体は、限られた財源の中で住民のニーズに応えるために優先順位をつけながら予算を編成します。この流れを知ることによって自治体の取り組みや方針を理解し、より地域の課題や可能性について意識を向けることができます。また、予算編成を理解することは、市民として行政に参画する一歩でもあります。

予算の流れを理解するための資料の活用法

 地方自治体の予算概要や執行状況は、公式ホームページや広報誌で公開されています。これらの資料は専門用語が多い点が難点ですが、予算の概要部分やグラフなどを重点的に見ることで全体像を掴みやすくなります。また、自治体が開催する予算説明会に参加することで、分かりやすく説明を受けることができる場合もあります。さらに、予算時期に合わせて議会での議論内容や関連情報に目を通すことで、予算がどのように編成されているのか具体的なイメージがつかめます。

市民意見の反映とその意義

 地方自治体の予算編成では、市民意見の反映の機会を設けることが一般的です。パブリックコメントや地区ごとの説明会では、住民が直接意見を述べたり、改善点を提案したりすることができます。このような仕組みを通じて、自治体は住民の声を取り入れる努力を行っています。住民として自分の声を反映させることは、地域社会の発展やニーズに合った予算運営に貢献することにつながります。また意見を述べることで、自治体にとっても住民参加意識の向上が期待されます。

透明性のある予算運営に向けて大切なこと

 地方自治体の予算運営においては透明性が欠かせません。これは住民が税金の使われ方に納得し、自治体への信頼感を抱くための基礎でもあります。透明性を高めるために、自治体は予算に関する資料や実績を分かりやすく提示する努力を進めています。一方で、住民側も積極的に情報を収集し、疑問点があれば質問する姿勢が求められます。自治体と住民が協力して情報を共有し合うことで、地域にとってより効果的で効率的な予算運営を実現することが可能です。

執筆者 : K.E(華匠/Webディレクター)

2002年からホームページ制作・Web集客サポートを行い、これまで茨城県つくば市の地元企業や官公庁など幅広いWebプロジェクトを担当。
「分かりやすさ・相談しやすさ」をモットーに、地元企業様のWeb活用を支援しています。