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WordPressは本当に安全?脆弱性を抑えるセキュリティ対策

2025.11.13

執筆者 : K.E(Webディレクター)

WordPressのセキュリティリスク

WordPressはなぜサイバー攻撃の標的になりやすいのか

 WordPressがサイバー攻撃の標的になりやすい理由のひとつは、その圧倒的なシェアの高さにあります。世界中のWebサイトの約40%以上がWordPressで構築されており、CMSとして非常に普及しています。この普及率が高いほど、攻撃者にとって「効率的に成果を上げられる」プラットフォームとして注目されやすくなります。また、初期設定で運用しているユーザーが多いことや、セキュリティ対策が不十分なサイトを狙うことで簡単に不正侵入が可能になるケースもあります。

 さらに、WordPressはオープンソース型CMSであるため、ソースコードが公開されています。この特性は開発者やユーザーによる自由なカスタマイズを可能とする一方で、攻撃者がコードを解析し脆弱性を見つけやすい環境を提供してしまうという課題も抱えています。結果として、WordPressは多くのサイバー攻撃の標的となりやすい状況です。

オープンソース型CMSの特徴と課題

 オープンソース型CMSの最大の特徴は、ソースコードが公開されている点です。これにより、誰でも自由に利用や改変ができるため、ユーザーは自身のニーズに合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。WordPressはこのオープンソースの代表例として知られ、多くの開発者によるプラグインやテーマがコミュニティベースで提供されています。

 しかし、この自由度の高さには課題も伴います。一つはセキュリティ上のリスクです。コードが公開されているため、攻撃者は潜在的な脆弱性を特定し、悪用することが容易になります。また、セキュリティ対策は利用者自身が行う必要があり、専門知識がないユーザーにとっては十分な管理が難しいことが現状です。特に個人運営のサイトでは、アップデートの怠りや誤設定がサイバー攻撃の主な原因となることも少なくありません。

主要なセキュリティ脅威:侵入、改ざん、情報漏えい

 WordPressを含むCMSが直面する主要なセキュリティ脅威には、「侵入」「改ざん」「情報漏えい」が挙げられます。侵入の例として、不正なログインや権限の昇格によって管理者権限を奪取されるケースがあります。これにより、攻撃者はサイト全体を制御できるようになり、次なる脅威である改ざんを行います。

 改ざんでは、文章や画像、リンクが悪意を持った内容に置き換えられ、サイトの利用者が詐欺行為やマルウェア感染の被害に遭う可能性があります。さらに、情報漏えいのリスクも高まります。特に、ECサイトなどで個人情報やクレジットカード情報が盗まれると、サイト利用者だけでなく運営側も大きな損害を被ることになります。これらの脅威に対応するためには、セキュリティ対策を継続的に実施することが不可欠です。

無料CMSと有料CMSのセキュリティ比較

 WordPressのような無料CMSと有料CMSには、それぞれメリットとデメリットが存在し、セキュリティ面でも差が見られます。無料CMSは利用開始のハードルが低く、多くの機能追加が可能な拡張性が魅力です。しかしその一方で、管理や運用の責任はすべてユーザーに帰属し、適切に更新や設定を行わない場合、セキュリティリスクが高くなります。

 対照的に、有料CMSは開発会社やプロバイダによるサポートやメンテナンスが行われるため、セキュリティ対策が強固である場合が多いです。特に、セキュリティパッチの適用や脆弱性の迅速な対応が期待できます。ただし、有料CMSの利用には一定のコストが伴うため、予算に応じて選択することが求められます。最終的には、CMSを選ぶ際にはセキュリティとともに費用対効果をしっかりと見極めることが重要です。

WordPressサイトを狙う脆弱性の実例

過去に発生したWordPressの脆弱性事例

 WordPressは広く利用されているCMSであるため、多くのサイバー攻撃の対象となっています。過去には、WordPressのコアファイルやプラグインに存在した脆弱性が悪用され、大規模なサイバー攻撃が発生した事例があります。たとえば、2020年にはWordPressの人気プラグイン「File Manager」に脆弱性が発見され、攻撃者による不正侵入やデータの改ざんが行われました。このように、WordPressを使用する際は、セキュリティリスクを理解し、脆弱性への早期対応が不可欠です。

プラグインの更新不足によるリスク

 WordPressの魅力の一つである豊富なプラグインも、更新不足がセキュリティリスクを招く要因となります。プラグインは多くの開発者によって提供されており、その管理状況はさまざまです。開発者がアップデートを停止したプラグインや、利用者が更新を怠ったプラグインは、脆弱性の温床となる可能性があります。一部の攻撃者は、更新が滞ったプラグインを標的として、マルウェアを仕込むなどの悪意ある活動を行うため、定期的な更新管理が必須です。

テーマの脆弱性とその影響

 WordPressのウェブデザインをカスタマイズするために使用されるテーマにも、脆弱性のリスクが存在します。特にサードパーティ製の無料テーマは、セキュリティが十分に考慮されていない場合があります。テーマに脆弱性があると、攻撃者がウェブサイトに不正侵入し、デザインやコンテンツの改ざんを行う可能性があります。また、攻撃者によってウェブサイトの裏側にバックドアが仕込まれるケースも報告されています。したがって、利用するテーマを慎重に選び、公式なマーケットプレイスからのダウンロードを心がけましょう。

人為的ミスによるセキュリティの低下

 WordPressのセキュリティは、単なる技術的な対策だけでなく、運用者の管理能力にも依存します。不適切な設定、不要なプラグインやテーマのインストール、パスワードの共有など、人為的ミスがセキュリティの低下を引き起こす要因となります。特に初心者ユーザーが多いオープンソース型CMSでは、専門知識が不足しているため、こうしたエラーが発生しやすい傾向があります。また、バックアップを取らずに運用している場合、問題が発生した際に復旧が困難となるため、定期的なバックアップも重要な対策の一つです。

WordPressセキュリティを高めるための基本対策

定期的なアップデートの重要性

 WordPressやそのプラグイン、テーマは定期的にアップデートを行うことが重要です。アップデートには新機能の追加だけでなく、既知のセキュリティ脆弱性の修正が含まれています。特に、オープンソース型CMSであるWordPressは、多くの開発者によってコードが公開されています。そのため、不具合を狙ったサイバー攻撃が発生しやすい特徴があります。アップデート作業を怠ると、自サイトが危険にさらされる可能性が高まります。サイト管理の一環として、常に最新バージョンを維持することを心がけましょう。

強力なパスワードと多要素認証(MFA)の導入

 管理画面への不正アクセスを防ぐためには、予測が難しい強力なパスワードを設定することが基本です。また、多要素認証(MFA)を導入することでセキュリティレベルを大幅に向上させることができます。MFAはパスワードに加え、スマートフォンアプリやSMSコードを使用して本人確認を行う仕組みです。特に顧客情報や重要なデータを扱うCMS運営者にとっては、必須とも言える対策です。

権限管理の徹底: 必要最低限のアクセス権設定

 WordPressを運用する際、各ユーザーの権限を適切に設定することが非常に重要です。不要に高い管理権限を付与すると、外部から攻撃されやすくなったり、人為的なミスが発生したりするリスクがあります。例えば、投稿作成者には「投稿者」権限を、運営全体の管理が必要ないスタッフには「寄稿者」権限を設定するといった具合に、必要最低限のアクセス権を与えるよう心がけましょう。このように権限を細かく管理することで、セキュリティリスクを大幅に減少させることが可能です。

プラグインやテーマの安全性確認

 WordPressの豊富なプラグインやテーマは便利ですが、それらに脆弱性が含まれている場合があります。利用する前には、公式ディレクトリに掲載されている信頼性のあるプラグインやテーマを選ぶことが重要です。また、更新が止まっている古いプラグインやテーマは使用を避け、評価やレビューが高い製品を選びましょう。不適切な拡張機能をインストールすることで、逆にセキュリティリスクが高まる可能性があるため注意が必要です。

ファイアウォール(WAF)とIP制限の利用

 ファイアウォール(WAF)は、外部からの不正なアクセスを自動的に検知・防御する効果的なセキュリティツールです。また、特定のIPアドレスを許可または禁止する機能を活用することで、悪意のある攻撃者からのアクセスを制限できます。これにより、侵入や改ざんのリスクを最小限に抑えることが可能です。WAFやIP制限はCMSのセキュリティ対策全体を強化するための基本的かつ効果的な方法と言えるでしょう。

さらにセキュリティを強化する方法

脆弱性診断ツールの利用

 WordPressのセキュリティをさらに万全にするためには、脆弱性診断ツールの活用が効果的です。このツールを使用することで、サイト内のセキュリティホールや潜在的な弱点を発見できます。特に、オープンソース型のCMSであるWordPressは、カスタマイズ性の高さが魅力ですが、一方で利用者がプラグインやテーマを介して脆弱性を持ち込んでしまうケースもあります。脆弱性診断ツールを定期的に使用することで、サイバー攻撃のリスクを大幅に軽減できます。

Webアプリケーションファイアウォール(WAF)の導入

 Webアプリケーションファイアウォール(WAF)は、サイトへの不正アクセスやサイバー攻撃を防ぐためのセキュリティ対策として有効です。WAFを導入することで、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングといった代表的な攻撃手法からサイトを守ることができます。無料CMSと異なり、有料CMSではこのような機能が標準搭載されているケースもありますが、WordPressの場合は自身でWAFを設定する必要があるため注意が必要です。

データバックアップの確保と復元計画

 万が一のセキュリティ事故に備え、サイトデータの定期的なバックアップと復元計画の策定は欠かせません。特に、個人情報や重要なコンテンツを扱うサイトでは、データが失われた際の影響は計り知れません。クラウド型CMSや有料CMSには、定期的なバックアップ機能が組み込まれている場合が多いですが、WordPressではプラグインなどを活用して手動または自動でバックアップを行うのが一般的です。また、復元プロセスも事前に検証しておくことで、緊急時の対応をスムーズに行えます。

セキュリティ向けのホスティングサービスを検討

 WordPressでのセキュリティを強化する手段として、セキュリティに特化したホスティングサービスの利用を検討することも重要です。このようなサービスでは、高度なファイアウォールや自動の脆弱性修正、バックアップ機能が提供されており、セキュリティ管理が容易になります。特に、管理が不十分になりがちなオープンソースCMSを運用する場合は、信頼性の高いホスティングサービスの選択がサイトの安全性を支える重要な要素となります。

専門家へのセキュリティコンサルティング依頼

 最後に、セキュリティエキスパートからのコンサルティングを受けることも効果的です。特に、セキュリティ対策に関する知識が不足している場合や、高度な技術を要する対策が必要な場合は、専門家の支援が不可欠です。WordPressをはじめとするCMSはユーザーがカスタマイズできる幅が広いため、不適切な設定が原因でセキュリティの危険が生まれる場合があります。プロに依頼することで、脆弱性診断から具体的な対策提案、実際の導入に至るまで、包括的なサポートを得ることが可能です。

執筆者 : K.E(華匠/Webディレクター)

2002年からホームページ制作・Web集客サポートを行い、これまで茨城県つくば市の地元企業や官公庁など幅広いWebプロジェクトを担当。
「分かりやすさ・相談しやすさ」をモットーに、地元企業様のWeb活用を支援しています。